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感じたふりをしてしまうのは、なぜ?――相手の反応より、自分の感覚を見る
セックスで相手に合わせて、感じたふりをしてしまう。相手を喜ばせたい気持ちを否定せず、「相手はどう思う?」から「私はどう感じる?」へ注意を戻し、自分の身体感覚を知る考え方を紹介します。
公開日
セックスのとき、
本当はそこまで感じていないのに、
声を出した。
反応した。
気持ちいいふりをした。
そんな経験がある女性は、たぶん珍しくありません。
相手を傷つけたくなかった。
雰囲気を壊したくなかった。
喜んでほしかった。
早く終わってほしかった。
あるいは、
「こういうときは、こう反応するもの」
という感覚だったのかもしれません。
演技すること自体を、私は悪いことだとは思いません。
でも、一つだけ気になることがあります。
そのとき、自分が何を感じていたかは分かっていましたか?
相手を見ていると、自分の感覚が見えにくくなる。
相手は気持ちよさそうかな。
私の反応を喜んでいるかな。
ちゃんと感じているように見えているかな。
そう考えているとき、注意はかなり相手側に向いています。
すると、
自分の身体で何が起きているのか。
ここは好きなのか。
これはよく分からないのか。
さっきと何が違うのか。
そういう小さな感覚は、意外と見えにくくなります。
だから一度、問いを変えてみます。
「相手はどう思う?」ではなく、「私はどう感じる?」
感じたふりをやめれば、すぐ感じられるわけではない。
ここは大切です。
演技をやめれば、急にすべての感覚が分かる。
という話ではありません。
むしろ最初は、
「あれ、私って何を感じているんだろう?」
となることもあります。
気持ちいい。
気持ちよくない。
という二択さえ、はっきりしないかもしれません。
それで構いません。
温かい。
圧迫されている。
少しゾクッとする。
ここは何も分からない。
もう少し続けてみたい。
これは違う。
そういう小さな情報から始めます。
「正しい反応」を探さなくてもいい。
性的な場面には、意外とたくさんの「こうするもの」があります。
こういうときは声が出る。
ここを触られたら気持ちいい。
オーガズムならこうなる。
相手が上手ならこう反応する。
でも身体は、教科書どおりには動きません。
人によって違う。
同じ人でも日によって違う。
だから、
「私は正しく感じている?」
より、
「今の私はどう感じている?」
の方が役に立ちます。
自然に反応してしまう瞬間。
過去のある体験では、
普段、相手に合わせて「感じたふり」をすることがあった女性が、
身体の感覚へ注意を向けていくうちに、
意識して反応を作るのではなく、
身体の方が自然に反応する
という違いに気づきました。
本人にとって印象的だったのは、
何か特別な反応ができたことより、
「ありのままでいられた」
ことでした。
私は、この違いがとても面白いと思っています。
※一人の体験をもとにした例で、同じ反応を保証するものではありません。
催眠を使う理由も、少しここにつながっています。
催眠で演技を見抜くわけではありません。
感じるように命令するわけでもありません。
言葉や想像を使いながら、
相手の反応や周囲のことへ向いていた注意を、
少し自分の身体へ戻してみる。
呼吸。
身体の力。
内側の感覚。
小さな変化。
そこへ注意を向けてみます。
すると、
「こう感じるはず」ではなく、「私はこう感じている」
が少し分かりやすくなることがあります。
相手を喜ばせたい気持ちを、捨てなくてもいい。
相手に気持ちよくなってほしい。
喜んでほしい。
それ自体は、とても自然なことだと思います。
自分の感覚を大切にすることと、
相手を大切にすることは対立しません。
むしろ、
自分が何を好きなのか。
何が分からないのか。
何をもう少し試したいのか。
それが分かる方が、相手にも伝えやすくなります。
だから、
相手か、自分か。
ではありません。
相手の反応だけを見ていた注意を、
自分にも少し戻してみる。
そのくらいからでいいと思っています。
「感じている私」を演じるより、「感じている私」を知る。
大きな声が出なくてもいい。
分かりやすい反応がなくてもいい。
オーガズムかどうか分からなくてもいい。
まず、
「今、私は何を感じている?」
と自分に聞いてみる。
その答えが、
「よく分からない」
でも構いません。
そこから少しずつ、
自分の身体について分かることが増えていきます。
誰かに「感じているように見せる」より、
自分自身が、自分の感覚を知る。
私は、その方に興味があります。
次に読むなら
→ もっと感じるって、どういうこと?――身体の内側に注意を向ける
身体感覚や性的反応には個人差があります。特定の反応や変化を保証するものではありません。