Article

これって中イキ?――自分の感覚がわからないときに考えたいこと

「今のって中イキ?」と迷ったとき、他人の体験と比べて判定する前に、自分の身体で何を感じていたかに注意を向けてみる。中イキの感覚、外と中の違い、注意・想像と身体感覚についてNOYUAの考え方を紹介します。

目次

「今のって、中イキだったのかな?」

気持ちよかった。

いつもとは少し違った。

身体の内側に何か感じた。

でも、

これが“中イキ”なのかは分からない。

ネットで調べると、

「こんな感覚になる」

「こうなったら中イキ」

という説明がたくさん出てきます。

それを読んで、

「私は違うのかな」

と思ったことがあるかもしれません。

でも私は、最初から名前を決めなくてもいいと思っています。

その前に、もっと面白い問いがあります。

そのとき、自分の身体では何が起きていましたか?

「中イキ」という言葉は一般に、膣内への刺激などによるオーガズムを指す言葉として使われています。

ただ、実際の身体感覚は人によって違い、「この感覚なら中イキ」と一つの特徴だけで判定できるものではありません。


人の体験と比べるほど、分からなくなることがある。

波のようだった。

身体の奥から広がった。

力が抜けた。

逆に力が入った。

頭が真っ白になった。

身体が勝手に動いた。

中イキについて調べると、いろいろな表現が見つかります。

でも、それはその人が自分の体験を言葉にしたものです。

同じ言葉を使っていても、同じ感覚とは限りません。

逆に、自分の感覚がその説明と違うからといって、

「これは違う」

とすぐに決める必要もありません。


「中イキだった?」から、少し問いを変えてみる。

たとえば、

どこが一番気持ちよかった?

身体の表面だった?

内側だった?

一点だった?

広がっていった?

呼吸はどうなっていた?

力は入っていた?

抜けていた?

その前と、その後で何が変わった?

そんなふうに見てみる。

すると、

「中イキかどうか」では見えなかった、自分自身の感覚

が少し分かってきます。


外と中を、競争させなくてもいい。

「外では感じられるけれど、中ではよく分からない」

という人もいます。

すると、

外で感じることより、中で感じることの方が上。

中イキできたら次のステージ。

そんなふうに考えてしまうことがあります。

でも、身体の感覚に順位をつける必要はありません。

外側には外側の感じ方がある。

内側には内側の感じ方がある。

そして、人によって分かりやすい場所も違います。

「どちらが上?」ではなく、「私はそれぞれをどう感じる?」

と考える方が、自分の身体について分かることは増えます。


「イった / イっていない」の二択にすると、途中が消えてしまう。

性的な感覚を、

0 = イっていない。

1 = イった。

だけで見ると、その途中で起きていたことが全部一緒になってしまいます。

でも実際には、

少し気持ちよくなった。

さっきより内側が分かった。

ここは好きだった。

これはよく分からなかった。

力を抜くと違った。

呼吸すると変わった。

想像したら少し広がった。

そんな小さな違いがあります。

私は、この途中の違いの方に興味があります。

感じることの解像度を上げていく。

その先に何があるのかは、最初から決めません。


「これかな?」と判定しているとき、意識はどこにある?

中イキしたいと思っていると、

「今の?」

「これ?」

「もう少し?」

「まだ?」

と、自分の身体を採点することがあります。

もちろん、考えること自体が悪いわけではありません。

でもその瞬間、注意の一部は身体ではなく、

“正解かどうかを判断すること”

へ向いています。

そこで一度、

「中イキだった?」

ではなく、

「今、私は何を感じている?」

へ戻ってみる。

小さな違いに気づくことがあります。


想像や注意で、感じ方が変わることもある。

身体の感じ方は、刺激の強さだけで決まるとは限りません。

どこへ注意を向けているか。

何を想像しているか。

呼吸。

身体の力。

緊張。

そうしたものによって、同じような刺激でも感じ方が変わることがあります。

私がセッションで催眠を使う理由も、ここにあります。

催眠で「中イキさせる」のではありません。

言葉や想像を使いながら、

普段より自分の感覚へ注意を向けてみる。

その方法の一つとして催眠を使います。


自分でも知らなかった感覚に気づくことがある。

ある体験者は、最初は催眠そのものに半信半疑でした。

でも、小さな感覚へ注意を向けていくうちに、

身体の内側に、

「ここは違う」

と思える場所を見つけました。

さらに注意を向けていくと、本人自身が驚くほど感じ方が大きく変わっていった。

その体験で印象的だったのは、

「中イキできた」

というラベルより、

「自分の身体なのに、こんな感覚があることを知らなかった」

という驚きでした。


だから、「これって中イキ?」の答えを急がなくてもいい。

名前が分かると安心することがあります。

でも、名前を決めることで、自分の感覚を見ることをやめてしまうこともあります。

今のは何だったんだろう。

どこが違ったんだろう。

もう一度同じように感じるだろうか。

別のことをしたらどうなるだろう。

そう考えると、

「中イキだったかどうか」より、

「私の身体には、ほかにどんな感覚があるんだろう?」

の方が面白くなってきます。


感じられないからではなく、もっと感じてみたいから。

私が大切にしているのは、何かができない自分を「直す」ことではありません。

今でも感じる。

今でも楽しめる。

でも、

まだ知らない感覚があるなら知ってみたい。

そんな好奇心です。

中イキへの興味も、その一つで構いません。

答えを先に決めるのではなく、

「私の場合は、どう感じるんだろう?」

から始めてみる。

その方が、自分の身体についてもっと面白いことが見つかるかもしれません。


身体感覚や性的反応には個人差があります。NOYUAのセッションは医療・治療ではなく、中イキその他の特定の性的反応を保証するものではありません。